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articles > 2025-12-18 依田勉三

北海道の開拓史に、依田勉三という男がいる。現在の帯広 (オベリベリ) の礎を築こうと人生のすべてを捧げた人物だ。

彼の事業への執念は、狂気的とすらいえる。過酷な未開の地でただひたすらに未来を信じ、土地を切り拓きつづけた。常人には理解しがたかったに違いない。しかし、あれほどの情熱を注いでも、彼の事業は成功を収めることなく終わる。

彼の生涯は、失敗だったのだろうか? 違うだろう。彼の燃えるような生き様は、大切なことを教えてくれる。ほとばしる熱量こそが、何かを成し遂げる原動力であること。そして、どれだけ心血を注いでも、最後は運やタイミングに左右されるという人生の真理だ。

私に彼のような器はない。すべてを投げ打ってでも成し遂げたいと願う心持が自分にはあると、言えるだろうか。正直、自信はない。

だが、北海道の魅力に憑りつかれてしまったのは奇しくも彼と一緒である。こうなったら心血注いでやってやるしかない。

依田勉三の拓いた大地は、長い時を経て、豊かな実りをもたらしている。彼のようには決してなれないが、とにかく悔いのないように生きるのみだ。